pcos ホルモン

多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)とホルモンの関係とは?

 

PCOS

 

わたしたち人間のからだをコントロールし、動かしているホルモン。

 

ホルモンは主に、脳にある視床下部や下垂体、甲状腺や副腎、すい臓や卵巣などから分泌されています。

 

PCOSの治療目標である排卵に関しては、視床下部と間脳、そして卵巣から分泌されるホルモンが深く関わっています。

 

ホルモンの数としては、約40ほどあると言われており…

 

一生分の分泌量は、ティースプーン2〜3杯くらいなのです。

 

女性は月経、排卵、妊娠、出産、授乳などを経験することができますが…

 

これらも、ホルモンのはたらきがすべて正常におこなわれているからこそ、可能なのです。

 

でもPCOSの場合は、ホルモンに異常をきたしてしまうので、生理不順や排卵障害が起こってしまうのです!

 

そこで今回は、そんなPCOSとホルモンの関係について説明していきたいと思います。

 

 

PCOSのホルモン異常により、生理不順になってしまった話

 

 

Aさんは数年前に、順調だった生理が突然遅れがちになって、不規則になってしまいました。

 

PCOS

 

さすがに放っておくのも怖いなと思って、勇気を出して婦人科へ。

 

この頃はまだ妊娠や出産経験もなかったので、婦人科の敷居が高くて…

 

なかなか「よし、行くぞ!」と、踏ん切りがつきませんでした。

 

しかし、生理は女性にとって健康のバロメーターだと言います。

 

もしかしたら、からだの中で何か悪いことが起こっているのかもしれない、とAさんは思ったのです。

 

Aさんの予感は的中し、血液検査をしたところプロラクチンというホルモンが高いということがわかったのです。

 

基礎体温では通常14日なければならない高温期が、10日にも満たなくて、短い状態でした。

 

医師に言われたのは、PCOSの患者さんの約30%はプロラクチン値が少し高い傾向にあるということです。

 

Aさんも、例に漏れず30%のうちに入ってしまったわけですが…

 

プロラクチン値を下げる「パーロデル」などの薬を飲み、排卵がきちんとされるよう治療していきました。

 

薬のおかげでプロラクチン値を下げることに成功、そして排卵し…

 

こまめに検査していた妊娠反応が陽性になったところで、薬をやめました。

 

詳しい原因が解明されていないPCOSでも、症状に応じた対策をきちんとすることで…

 

無事に妊娠へと導くことができるのだなと、Aさんはそのとき思ったのです。

 

 

不妊治療のための本から学ぶ、ホルモンが分泌される場所とは?

 

 

女性ホルモンとひとくちに言っても、その種類は様々あります。

 

そこで「不妊治療ガイダンス」という本から得た、ホルモンを分泌する場所や順序を説明していきます。

 

PCOS

 

@視床下部(間脳)

 

視床下部(間脳)は、左右の脳のちょうど中心部分にあります。

 

視床下部は、すべての女性ホルモンをコントロールしている重要な場所です。

 

脳下垂体に対して、視床下部が「女性ホルモンを分泌してください」と指示をします。

 

このときに分泌されるホルモンが、「性腺刺激ホルモン放出ホルモン」と呼ばれるものです。

 

ちょっと名前が長いので、ゴナドトロピンと呼ばれています。

 

ゴナドトロピンは、門脈という細い血管を通って脳下垂体へと運ばれていきます。

 

A脳下垂体

 

脳下垂体は、その名前の通り視床下部にぶら下がるように存在しています。

 

門脈を通って運ばれてきたゴナドトロピンが、脳下垂体を刺激していきます。

 

そしてその刺激により、2種類のホルモンを分泌していきます。

 

ひとつは「FSH」と呼ばれる、卵胞刺激ホルモンです。FSHは、卵巣内にある卵胞の成長を促す作用があります。

 

もうひとつは「LH」と呼ばれる、黄体形成ホルモンです。LHは、成長した卵胞に排卵するよう促す作用があります。

 

そして分泌されたLHとFSHは、卵巣へと運ばれていくのです。

 

B卵巣

 

脳下垂体から分泌されたLHとFSHが、最後に卵巣を刺激します。

 

このときに、「プロゲステロン」と「エストロゲン」が分泌されます。

 

このふたつのホルモンが、月経周期に深く関わりのあるものとなります。

 

エストロゲンは、卵胞を成長させて排卵を促すはたらきがあります。

 

そして排卵が起こり、高温期に入ると、プロゲステロンが分泌されます。

 

プロゲステロンは、子宮内膜を厚くして、受精卵が子宮内膜に着床しやすくするはたらきがあります。

 

 

PCOSのホルモン異常はどのような種類がある?

 

 

PCOSは、多嚢胞性卵巣症候群という名前の通り様々な症状の集合体です。

 

その中でもよく見られるPCOSの症状について、順番に紹介していきます。

 

PCOS

 

@高プロラクチン血症

 

プロラクチンは黄体刺激ホルモンとも呼ばれていて、プロゲステロンの分泌を助けます。

 

しかしそれが多くなりすぎると、ホルモンのバランスが崩れて性腺刺激ホルモンのはたらきが抑えられてしまうのです。

 

性腺刺激ホルモンがはたらかなくなると、高温期が極端に短くなる「黄体機能不全」になりやすくなります。

 

このことで、生理不順や排卵障害が起こってしまうのです。

 

A高インスリン血症

 

肥満や糖尿病などで、血液中のインスリン濃度が高くなると…

 

・卵巣で、男性ホルモンであるアンドロゲンが過剰に分泌されてしまう

 

・肝臓での性ホルモンを調節する機能が抑制されて、男性ホルモンのテストステロンの濃度が高くなってしまう

 

このようなことからPCOSでは、男性化が多く見られると考えられているのです。

 

B高LH血症

 

脳下垂体から分泌されるホルモンのひとつ、LH(黄体形成ホルモン)がPCOSによって、過剰に分泌されてしまいます。

 

このことにより卵巣の皮を硬く、厚くしてしまうのと、男性ホルモンが過剰に分泌されてしまいます。

 

このことから、排卵障害が起こってしまうのです。

 

PCOS

 

まとめ

 

 

PCOSは内分泌のホルモン異常が起こる様々な症状のことを言うということを、説明してきました。

 

人によっては、男性化が起こらなかったり、生理不順がない場合もあります。

 

生理が毎月あっても実際は無排卵だった、という場合もあります。

 

ホルモン値は、婦人科でおこなわれる血液検査で診断することができます。

 

少しでも不安な症状があるときには、すぐに婦人科で診察を受けるようにしましょう。

 

そして症状に合わせた、適切な治療を受けていくことが大切です。

 

最終的にPCOS治療の場合は、「排卵を起こさせること」が目的となっています。

 

排卵さえ起これば、妊娠することができる可能性があります。

 

医師の指示をしっかり守って、治療をしていきましょう。