ゴナドトロピン 不妊治療

PCOSにおけるゴナドトロピン療法ってどんなもの?

 

PCOS

 

PCOSと診断されたら、まずはクロミフェン療法から治療をスタートする人がほとんどです。

 

でも実は15%の女性は、クロミフェンが効かないタイプの症状なのだそうですよ!

 

では、この場合は一体どうすれば良いのかというと…

 

ゴナドトロピンという、排卵を促すための2種類の注射をして、妊娠に導く治療をします。

 

ゴナドトロピン療法に使われる薬は、強力な効果があります。

 

でもゴナドトロピン療法と聞いても、ほとんどの人が「どんなことをするのかわからない」と考えると思います。

 

わたしも、最初は名前だけ聞いても何のことやら全くわかりませんでした。

 

そこで今回は、ゴナドトロピン療法について、実際に治療経験のある女性の話と医師による説明…

 

多くの人が心配する副作用の問題と、各ホルモンのはたらきについてを説明していきます。

 

 

副作用を乗り越え、ゴナドトロピン療法で無事PCOSを克服して妊娠した女性の体験談

 

 

生理不順の症状が気になり、病院で診てもらったところPCOSと診断された36歳の女性。

 

年齢のこともあり、早く妊娠したいとクロミフェン療法からスタートしましたが、結果は排卵せず…

 

ホルモン値も低いままで、このままではラチが明かないと、すぐにゴナドトロピン療法にステップアップしました。

 

ゴナドトロピン療法を始めてからは、FSH製剤というhMgとhCGの性腺刺激ホルモンを合わせた薬剤を、家で自己注射する日々。

 

PCOS

 

これがとても負担になりましたが、一日置きに病院に行って注射をしてもらうことを考えたら、マシでした。

 

でもある日、彼女はお腹の膨満感とひどい吐き気で慌てて病院へ。

 

ゴナドトロピン療法の副作用…卵巣過剰刺激症候群(OHSS)が起こってしまったのです。

 

彼女の場合は、副作用による症状が安定するまで数日間入院することになりました。

 

体調が落ち着いて再びゴナドトロピン療法を続けたら、なんと次の周期で無事排卵して、妊娠することができたのです。

 

副作用が起こったときは、もうこれ以上辛い思いをするのは嫌だと、諦めかけたこともあった彼女。

 

しかし、それに負けずに頑張ったおかげで、今彼女は赤ちゃんのお世話に追われる生活をしています。

 

それはそれで辛いこともあるそうですが、あのときの辛さに比べれば何てことはないそうですよ!

 

心身ともに辛い治療でしたが、彼女の心身が強くなったのは言うまでもありません。

 

 

医師がゴナドトロピン療法を選択するときとは?

 

 

PCOSの患者さんにゴナドトロピン療法をすると、排卵するのは70%、そのうち妊娠にいたるのは30%だと学会で報告されています。

 

この医師の学会による報告から見てみると、今の医学で最もPCOSに有効な治療法なのが、ゴナドトロピン療法だと言われています。

 

一般的にPCOSに対して、クロミフェン療法が効かなかった場合…

 

だいたいは、このゴナドトロピン療法に切り替えます。

 

両角レディースクリニック院長の両角和人先生のお話によると、ゴナドトロピン療法をするには注射以外に方法がないとのこと!

 

一日置きに注射をして、ホルモン量を補充していかなければならないのです。

 

しかし…一日置きに注射をするということ、これはかなり負担がかかりますよね。

 

でも、hMgとhCGを混ぜたFSH製剤の注射なら注射針はペン先程の太さなので、自己注射が可能とのことです。

 

これで家にいながら治療ができ、毎回病院に通うという手間が省けるのです!

 

とはいいつつも、やはり自己注射、腕に一日置きに注射するとなると痛みが心配です。

 

そこで医師がオススメするのは、腕に注射をするのではなくて痛みを感じにくいお尻に注射をするということです。

 

FSH製剤は筋肉注射ではなく皮下注射なので、痛みが少ないという点がメリットですね。

 

FSH製剤が使われるようになってから、実に50年近くが経っています。

 

このゴナドトロピン療法という治療法は、歴史があって信頼できる治療法なのです。

 

 

hMgとhCGのはたらきとは?

 

 

hMg-hCG療法といっても、初めて聞く人にとっては一体どんな治療法なのかまったく想像できませんよね。

 

そこでhMgとhCG、それぞれのはたらきについてわかりやすく説明していきますね。

 

ゴナドトロピン療法では、2種類の性腺刺激ホルモン注射がおこなわれますが…

 

まず、hMg注射から説明していきます。

 

PCOSでは…卵巣内の卵胞が、成長できずにどんどんたまっていきますが・・・

 

hMg注射は・・・卵巣に刺激を加えることで、卵胞を短期間で成熟させる効果があります。

 

卵胞が成熟すれば、卵巣から外に放出(排卵)されるようになります。

 

これは正常時に分泌される、卵胞ホルモン(エストロゲン)と同じはたらきになります。

 

PCOS

 

次に、hCG注射の役割は・・・卵胞がしっかりと破裂するように、刺激を加えることです。

 

卵胞が破裂すれば、中に入っていた卵子が外に飛び出し、排卵となります。

 

またhCGは、黄体化ホルモンのLHと同じようなはたらきがあります。

 

LHは排卵を促すだけでなく、子宮内膜を厚くして受精卵を着床しやすくする…

 

せっかく受精卵ができても、子宮内膜が厚くなっていないと受精卵が子宮内に留まる(着床する)ことができません。

 

hCG注射は、子宮内にふかふかのベッドを作って、着床の確率を高める役割もあるのです。

 

 

ゴナドトロピン療法では、この2種類の性腺刺激ホルモンを注射することで排卵を促すという…

 

強い効果がある、治療法です。

 

そのため、クロミフェン療法に比べると副作用も起こりやすくなってしまいます。

 

しかし、きちんと体調を管理をしていけば、十分副作用を抑えながら治療をしていくことは可能です。

 

むしろ、自然周期の治療法に任せるよりもコストを抑えることもできるのです。

 

 

hMg-hCG療法、心配な副作用は大丈夫?

 

 

ゴナドトロピン療法には、主な副作用として、吐き気や頭痛などがあります。

 

しかし、それ以外にPCOSの患者さんは特に注意しなければならない副作用が2つあります。

 

順番に説明していきましょう。

 

PCOS

 

@OHSS(卵巣過剰刺激症候群)

 

排卵誘発剤の注射による副作用(OHSS)は、10〜20%ほどの頻度で発生すると言われています。

 

卵巣内で排卵できなかった未熟な卵胞が10個ほどあるときに、注射で刺激を加えることで全て一気に大きく成長してしまうのです。

 

こうなると卵巣が腫れたりして、腹痛や吐き気などの重い症状が出てしまうのです。

 

ただ、現在は…OHSSの危険性が高い場合には、あらかじめ管理入院をしたり万全な体制をとっている病院も多いです。

 

心配なことがあれば、どんどん医師に質問して、不安がない状態でゴナドトロピン療法をおこなっていきたいところです。

 

A多胎妊娠

 

ゴナドトロピン療法による多胎妊娠(双子以上の妊娠)は、20%ほどの頻度で発生します。

 

通常双子以上が自然妊娠する確率は、一卵性で0.3%ほどとかなり低い数字となっています。

 

いかにゴナドトロピン療法での多胎妊娠の確率が上がるか、この数字を見ればわかります。

 

多胎妊娠はハイリスク妊娠として扱われ、個人病院などでは出産することができません。

 

多胎妊娠の場合は、周産期医療制度の整った総合病院で出産することになります。

 

三つ子以上の確率は非常にまれですが、排卵した数によっては可能性はゼロではないのです。

 

日本では、三つ子以上の場合は母体の負担のことを考えて減胎手術を認めています。

 

それだけ、多胎妊娠はリスクが高いのです。

 

この副作用に関しても、軽く受け止めずにパートナーや医師と話し合っておくと良いと思います。

 

 

まとめ

 

 

hMg-hCG療法(ゴナドトロピン療法)について、実際に治療経験のある女性の体験談や医師のオススメ・ゴナドトロピン療法…

 

副作用やそれぞれの性腺刺激ホルモンのはたらきなどを説明してきましたが、いかがでしたか?

 

PCOS

 

クロミフェン療法に比べたら強い排卵誘発剤を使うので、副作用の頻度も多くなるのがゴナドトロピン療法の特徴でした。

 

しかし薬の効果はかなり期待でき、排卵率70%、妊娠率30%ということで、PCOSの女性には希望を与える数字となっています。

 

費用も一回あたり数千円と、決して高いものではありません。

 

副作用についても、信頼できる医師に相談して、安心して治療を受けて妊娠に近づけると良いですね!