不妊 ラパロ 効果

外科的治療法・腹腔鏡下卵巣焼灼術(ラパロ)でPCOSは改善する?

 

PCOS

 

PCOSにおける外科的な治療法というと、昔は開腹手術が主におこなわれていました。

 

ただ開腹手術となると、肉体的にも精神的にも負担が大きいのがネックなので・・・

 

PCOSというと、第一選択の治療法でクロミフェン療法といった軽い排卵誘発剤の投薬治療がおこなわれています。

 

最近では、患者に負担がかかりにくい腹腔鏡手術の技術が進化してきました。

 

そこでクロミフェン療法などではPCOSの改善が見込めなかった人に向けて、この腹腔鏡手術がおこなわれるようになったのです。

 

これが腹腔鏡下卵巣焼灼術、ラパロと呼ばれている治療法です。

 

そこで今回は、この腹腔鏡下卵巣焼灼術(ラパロ)について体験談やメリットとデメリットに加えて…

 

ラパロの基礎知識と、その後の妊娠に向けての話について説明していきます。

 

 

重度のPCOSで妊娠は諦めていたけれど、ラパロ後無事に妊娠できた女性の話

 

 

31歳だった彼女は、結婚してすぐに子供が欲しかったのですが、2年経っても一向に妊娠せず…

 

検査の結果PCOSということがわかり、すぐに33歳の段階で不妊治療を始めました。

 

しかし、クロミフェン療法でクロミッドを飲んでも、一向に排卵する気配すらなかったのです。

 

エコーでは、卵巣内に排卵するまで成長できなかった未熟な卵胞がたくさんあって、見事なネックレスサインが出ていました。

 

強い排卵誘発剤を注射する治療法では、OHSS(卵巣過剰刺激症候群)という酷い副作用になり入院もしました。

 

そこで迷わず、ラパロに踏み切った彼女ですが…

 

手術自体は、前日入院で・・・当日は全身麻酔のため手術台に乗ったところから記憶がありませんが、なんとか無事に終わりました。

 

術後も鎮痛剤が効いていたので痛みはひどくなかったため、1週間後には退院許可が出ました。

 

このラパロにかかった入院、手術費用などは全て合わせて12万円でした。

 

手術では、卵巣に約30カ所の穴を開けてもらい、そこから卵子が出てきやすくして排卵できるようにしました。

 

こうして彼女はラパロ後に無事排卵して、その周期で妊娠することができました。

 

体外受精に40万以上の大金を払って少ない確率の妊娠にかけるよりは、ラパロ後の自然な排卵で妊娠する…

 

その方が彼女にとって、身体的にも精神的にも金銭的にも、とても良かったと言っていました。

 

 

 

腹腔鏡下卵巣焼灼術(ラパロ)とは?

 

 

では、腹腔鏡下卵巣焼灼術(ラパロ)とは一体どんな手術なのでしょうか?

 

まずはお腹に数カ所小さな穴を開けて、手術に必要な器具を入れていきます。

 

そして電気メスやレーザーを使って、左右の卵巣に5〜10mmほどの小さな穴を20〜30箇所くらい開けるという外科的な治療法です。

 

PCOS

 

卵巣に穴が多いので、卵胞膜を突き破った卵子が、外に出やすく(排卵しやすく)なります。

 

さらに、術後半年から1年は「ゴールデン期間」と呼ばれ、排卵が毎月起こりやすくなるので妊娠しやすくなります。

 

また、ラパロの手術を受けた際に・・・子宮筋腫などといった、他の不妊原因を見つけることもできます。

 

入院期間は病院によりますが、平均で1週間ほど、費用は10万円前後で健康保険が適用となります。

 

 

 

 

医師が話す、ラパロのメリットとデメリット

 

 

それでは、日本医科大学付属病院の医師が説明する、ラパロのメリットとデメリットについて説明していきます。

 

PCOS

 

・メリット

 

ラパロは、まず自力排卵が復活するということが一番のメリットと言えるでしょう。

 

これは、分厚く硬くなった卵巣の表皮をラパロで薄くすることで、排卵がおこなわれやすくなるのです。

 

また、表皮を削ることでPCOSの原因でもある男性ホルモン・アンドロゲンが生成されるのを防ぎます。

 

アンドロゲンは、卵巣の表皮で生成されているためです。

 

このことで、黄体形成ホルモンと卵巣刺激ホルモンのバランスが整うのです。

 

過剰に働いていた黄体形成ホルモンが抑えられることで、卵巣内に未熟な卵胞が増えるのを防ぎます。

 

そして卵巣刺激ホルモンが、複数ある卵胞の中からひとつだけ排卵できるように、卵を”集中して”成長させます。集中できれば、成長もしやすくなるわけですね。

 

こうして自然に排卵することができるようになることで、PCOSの治療のための強い排卵誘発剤を使わなくても良くなります。

 

強い作用のある排卵誘発剤は、それだけ副作用も強いのです。

 

特にPCOSの場合は、お腹などに水が溜まってしまうOHSS(卵巣過剰刺激症候群)という副作用が起こりやすくなります。

 

強い排卵誘発剤を使わないということは、このOHSSが抑えられるということなので、これもまたラパロのメリットとなります。

 

他には強い薬で心身ともに負担がかかりにくい、双子などの多胎妊娠を防ぐというメリットもあります。

 

・デメリット

 

ラパロのデメリットは、実は効果に有効期間があるという点です。

 

ラパロは手術後約1年で、もとの卵巣の状態に戻ってしまうので、半永久的に効果が持続するようなものではないのです。

 

またいくら腹腔鏡下とはいえ、手術は手術です。

 

万が一のリスクや費用面、入院日数の確保や傷跡などを考えると、安易に選択はできない治療法でもあります。

 

クロミフェン療法→hMg-hCG療法と来て、なかなかラパロという選択肢が出てこないのにはこのような理由があったのですね。

 

ラパロのメリット、デメリットをしっかり理解した上で、手術をおこなうのかを、決めていってください。

 

 

 

 

ラパロ後に妊娠するためにおこなった方がいいこと

 

 

PCOSによるラパロの体験者で、無事に妊娠した女性たちがみんな口を揃えて言うのは…

 

「とにかくストレスを溜めない」

 

「体重管理に気をつける」

 

実はこの2つ、かなり重要なのです!

 

PCOS

 

ひとつめの、ストレスに関しては…

 

妊娠にとらわれて、あらゆる行動に制限をかけるよりは(節度はありますが…)楽しく毎日を過ごしていった方が良いということですね。

 

妊娠した女性たちは、ラパロのゴールデン期間中は好きなように過ごしたり、開き直った気持ちでいたそうです。

 

よく、不妊治療を諦めた途端に自然妊娠した!という話を聞きますよね。

 

これに近いものがあるのかな、と思います。

 

そしてふたつめの体重管理ですが、PCOSの人は男性ホルモンの影響で肥満の傾向にあります。

 

妊娠しやすいからだをつくるためには、運動などをして体重を落とすと良いですよ!

 

適度な運動はストレス解消にもなりますし、運動がニガテな人は散歩あたりから始めてみても良いのではないでしょうか?

 

ラパロ後は、とにかく自由に過ごす!これに限ります。

 

PCOS

 

まとめ

 

 

PCOSの外科的な治療法である、腹腔鏡下卵巣焼灼術(ラパロ)について説明してきましたが、いかがでしたか?

 

腹腔鏡下手術が進化してきた今日だからこそ、こうしてデメリットも少なくおこなうことができているのですね。

 

またラパロによる、排卵が起こりやすくなるメカニズムも説明していきましたが…

 

ホルモンバランスも整って、さらに排卵も促されるなんて良いことづくしですよね!

 

ただし、ラパロの有効期間は1年間ほど。

 

ラパロに関してこれだけは注意して、ゴールデン期間のうちに結果が出るよう応援しています!