pcos ピル 治療

多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)に低用量ピル使用は効果アリ?

 

PCOS

 

多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)を治して1日も早く妊娠したいのに、避妊効果のある低用量ピルを飲むなんて!

 

妊娠を望む人からは、そんな声が聞こえてきそうですが…

 

実は低用量ピルを飲むことで、PCOSの症状のひとつである生理不順を改善し、ホルモンのバランスを整えることができるのです。

 

特に自力では生理が来ないくらいの重いPCOSの場合は、治療に長い期間がかかることもあります。

 

また、低用量ピルに含まれるホルモン量は非常に少ないので・・・カウフマン療法などとは異なり、からだに負担がかかりにくい治療方法といえます。

 

低用量ピルは、カウフマン療法などで使われるホルモン剤で副作用があった場合、そして長く治療する場合に使われます。

 

そこで今回は、PCOSの治療に使われている低用量ピルについて詳しく紹介します。

 

 

低用量ピルでPCOSが快方に向かって妊娠した女性の物語

 

 

いつもため息…「半年に一回しか、生理が来ないなんて!」

 

初めて生理が来たときから、35歳になるまでずっと生理不順に悩んでいる女性がいました。

 

自力では、なかなか生理が来ることがないくらいの筋金入りの生理不順です。

 

それを彼女は、独身時代「生理がないなんて、楽でいいわ」なんて考えていたのです。

 

生理が女性にとって、どれだけ大切なものなのかを、彼女はその頃には理解していなかったのです。

 

彼女が改めて自分のからだに違和感を感じたのは、結婚して子供が欲しいと思ったときでした。

 

そのときに初めて、生理がないと妊娠できる状態ではないということを知ったのでした。

 

慌てて病院に行ったら、血液検査やエコーの結果から、多嚢胞性卵巣症候群の診断が確定したのです。

 

とにかく自力では、生理を起こすこともできないくらいだった彼女。

 

中用量ピルで生理を起こさせて、低用量ピルを3周期飲んで様子を見ることにしました。

 

最初飲み始めは、ちょっと気持ち悪さがあったのですが、次第に慣れてきました。

 

低用量ピルのおかげで、足りないホルモンを調節することができ、3周期経った頃には無事に生理周期が安定してきたのです。

 

そして彼女が低用量ピルをやめて2周期過ぎたときに、病院で奇跡的に排卵しそうだと言われたのです!

 

すぐさま夫婦生活のタイミングを取り、無事に妊娠することができました。

 

低用量ピルを3周期続けたことで、ホルモンのバランスが整って、排卵がおこなわれたのです。

 

無事に今は出産し、育児に奮闘している彼女ですが、婦人科関連の知識が皆無だった自分を悔いていました。

 

そんな彼女は、それから半年に一度定期的な検査に通って健康を維持し、つい最近二人目を妊娠したそうですよ!

 

 

低用量ピルを使う目的は?

 

 

PCOSにピルを使う目的は、月経周期の安定です。

 

低用量ピルには、エストロゲンとプロゲステロンの、2種類のホルモンが含まれています。

 

正しい月経周期とは、低温期14日→排卵→高温期14日という28日周期なのです。

 

PCOS

 

月経周期を28日周期にするため、低用量ピルを21日間飲み続け、休薬期間7日の間に消退出血がみられます。

 

消退出血については、後ほど詳しく説明していきます。

 

半年ほど低用量ピルで周期的に生理を起こさせるようからだに記憶させ…

 

自力でも生理が来るようにサポートしてあげるのが、低用量ピルをPCOSで使用する目的なのです。

 

でも、なぜPCOSによって生理が長く来ない状態は良くないのでしょうか。

 

それは、生理がない=排卵がない、ということになるので…

 

子宮内膜が・・・排卵がない時期(低温期)に分泌されるエストロゲンに、長い期間さらされることになります。

 

本来ならエストロゲンにさらされている期間は短く、その後排卵してプロゲステロンが分泌されるようになるところを…

 

なかなか排卵しないことでずっと、同じホルモンの影響を受け続けるのは、ホルモンバランスが崩れてしまうのです。

 

そのため、子宮に様々な悪影響が及んできます。

 

こうならないために・・・低用量ピルで定期的に出血を起こさせて、エストロゲンの数値を下げるのです。

 

PCOSは、なかなか排卵ができずにいるために、生理不順になる人がたくさんいます。

 

そのため、長い目でみた治療を選択した場合に、低用量ピルによる月経周期の回復を試みるのです。

 

月経周期が回復すれば、規則的に排卵がおこなわれるようになります。

 

排卵するために「月経周期を整える」ということが、PCOSの治療のためにピルを飲む目的なのです。

 

 

低用量ピルって副作用などは大丈夫?

 

 

低用量ピルを飲むにあたって、気になるのがやはり副作用のことでしょう。

 

昔は低用量ピルではなく、ホルモン量が多いピルが主でしたので、それだけ副作用も多かったのです。

 

そのため「ピル=副作用が強い」という間違ったイメージが、つきまとってしまったのです。

 

PCOS

 

しかし、今は効果が出るギリギリの量のホルモン量しか入っていないので、副作用はかなり抑えられています。

 

ただ人によっては、飲み始めの1〜3ヶ月に吐き気や頭痛が起こる場合があります。

 

ピルを飲みなれてホルモンのバランスが安定してくると・・・副作用は、ほとんど起こらなくなってきます。

 

また飲み終えてすぐに妊娠したとしても、赤ちゃんに対して悪い影響はありませんので、安心してください。

 

ひとつだけ、低用量ピルではまれですが、血栓症という血が血管内で固まってしまう副作用が起こることがあります。

 

この場合には、すぐに医療機関を受診するようにしましょう。

 

 

低用量ピルを使った治療の段取りとは?

 

 

それではPCOSを改善するための、低用量ピルを使った治療の段取りを説明していきます。

 

@生理を起こすことからスタート!

 

まずは生理を起こすために、ソフィアAという中用量ピルを服用します。

 

10日ほどは飲むことになると思いますが、飲み終えて2〜3日ほどで生理が起こります。

 

A低用量ピルをスタート!

 

生理が無事に来たら、今度は生理初日から低用量ピルを飲み始めます。

 

実は、低用量ピルを飲むときに注意点があるのですが…

 

・毎日同じ時間帯に飲む

 

・最初の2週間は違う避妊方法を使うこと

 

・タバコを吸う人は禁煙する!(血栓症になりやすくなります)

 

これらのポイントは、しっかり押さえておきましょう。

 

B低用量ピルを正しく飲む!

 

低用量ピルは21日間薬を飲んで、7日間服薬をお休みするという28日周期となっています。

 

この7日間の間に、生理(消退出血)が起こるということなのです。

 

消退出血とは低用量ピルの休薬期間に、エストロゲンとプロゲステロンふたつの女性ホルモン量が少なくなることで起こります。

 

子宮内膜がホルモン不足により剥がれて、生理の時のような出血が起こるのです。

 

普段のような生理より、痛みや出血量などは軽くなる場合が多いようです。

 

C3周期ほどピルを飲んで生理周期を整える!

 

3周期ほど消退出血を繰り返せば、自然と生理の周期が整ってきます。

 

生理周期が整えば、ホルモンのバランスも整って排卵しやすくなります。

 

排卵が確認できれば、あとは自然妊娠が望めるのがPCOSの特徴です。

 

ここまでくれば、待望の妊娠はすぐそこまで来ていますよ!

 

PCOS

 

まとめ

 

 

PCOSの症状で多い生理不順を改善するために、低用量ピルが使われるということを中心に説明してきましたが、いかがでしたか?

 

低用量ピルは、通常は健康保険適用となりません。そのため2,500〜3,500円の実費がかかります。

 

しかし、PCOSや月経困難症など・・・具体的な病名が付いた治療なら、健康保険適用となります。

 

低用量ピルは、月経周期を整えることで、ホルモンバランスを正常化するはたらきがあり…

 

からだに正常な月経周期を覚えさせることが期待できるのです。

 

生理不順の場合は、まずピルの服用を3周期おこなってみてください。

 

きっと低用量ピルを飲み終えた頃に排卵が復活して、妊娠に一歩近づくはずですよ!