pcos クロミフェン 治療

多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)の薬物治療・クロミフェン療法とは?

 

PCOS

 

妊娠は、まず無事に排卵がされないと成立しません。

 

多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)では、卵巣内に卵はたくさんあるものの、まだどれも未熟で、排卵できるような状態のものではないのです。

 

そのため基礎体温による生理周期を見ても、排卵をしたという証拠の高温期が無い場合が多いのです。

 

通常、排卵したら体温が下がり、その後一気に上がり高温期となります。

 

PCOSによって、なかなか排卵できない人のために、第一選択でおこなわれる治療法があります。

 

排卵誘発剤を服用して、人工的に排卵できるよう促してあげる治療法…「クロミフェン療法」です。

 

クロミフェンとは、内服型の排卵誘発剤としての総称で、中でもメジャーなのは「クロミッド」という商品です。

 

他にも様々な商品名の排卵誘発剤がありますが、効果に違いはありません。

 

そこで今回は、クロミッドなどの排卵誘発剤を使ったクロミフェン療法について紹介します。

 

クロミフェン療法のみで、無事妊娠したPCOSを患うアラフォー女性の話や、排卵率や妊娠率の話…

 

そして排卵誘発剤と注意点、クロミフェン療法の段取りについて説明していきます。

 

 

クロミフェン療法のみで妊娠できたアラフォー女性の物語

 

 

「生理が3ヶ月もこない・・・」

 

今まで生理不順とは無縁だったのに、35歳を過ぎてから急に3ヶ月生理が来なくなった37歳。

 

最初は日々の仕事のストレスとか、不規則な生活が原因だと思って病院には行かなかった彼女。

 

PCOS

 

病院に行って何か異常が見つかるのも怖かったし、何より夫との子供を切望していた彼女は、不安感でいっぱいになっていました。

 

決定的になったのは、妊娠していないにもかかわらず、生理が3ヶ月こなかったとき。

 

さすがにマズイと思い、意を決して婦人科の門を叩きました。

 

病院で超音波検査をすると、そこにはネックレスのように連なっていた卵たちが…。

 

医師からは

 

「多嚢胞性卵巣症候群だね…自然妊娠するのは、ちょっと厳しいかもしれない」

 

こんなことを言われた彼女は、気付いたら涙が出ていました。

 

でも、そこですかさず先生が

 

「ちょっと待って!今は良い治療法があるから、泣くのはまだ早いよ!」

 

と、説明してくれたのが、クロミフェン療法。

 

とりあえず生理を起こして、そこから5日目に排卵誘発剤を5日間飲み続けるという治療法だったのです。

 

副作用などが正直心配だった彼女ですが、幸い少しの吐き気程度で済んだので仕事を休むことなく治療を続けることができました。

 

1度目は、残念ながら排卵できなかったのですが、2周目で排卵に成功!

 

見事医師の指導のもと、タイミング法で妊娠することができたのです!

 

無事に元気な赤ちゃんを出産した彼女は、いつも周りの同僚や友人たちに

 

「少しでも生理不順とかで調子が悪いと感じたら、すぐ病院にいかないとダメだよ」

 

と伝えているそうです。

 

 

医師が教える!クロミフェン療法の排卵率と妊娠率!

 

 

クロミフェン療法は、PCOSのなかでも比較的軽度な症状に対しておこなわれる治療法です。

 

聖マリアンナ医科大学の場合では、PCOSと診断されたらまずタイミング療法を試します。

 

それでも妊娠しない場合、このクロミフェン療法にステップアップします。

 

クロミフェン療法は、PCOSにおける、初期段階の治療法と言っても良いでしょう。

 

クロミフェン療法による排卵率は75〜80%と言われており、かなり高い確率で排卵が期待できます。

 

そのうちの妊娠率は、1周期で22%ほどです。

 

これは、PCOSでないクロミフェン服用時の女性の30%という妊娠率を、少しだけ下回る結果となっています。

 

臨床試験の結果では、6周期(半年)以内に50〜60%の確率で妊娠にいたることがわかっています。

 

ただし、6周期を過ぎても妊娠しない場合は、クロミフェン療法での妊娠はあまり期待できなくなります。

 

そのため、別の治療法を検討しなくてはなりません。

 

とは言っても、クロミフェン療法と他の薬を組み合わせたりする方法もありますので…

 

いきなり大変な治療に移ることはほとんどないので、安心してくださいね!

 

 

 

排卵誘発剤の効果とは?

 

 

クロミフェン、つまり排卵誘発剤を服用することで、脳の視床下部という箇所にはたらきかけます。

 

そこから性ホルモン(卵胞刺激ホルモン&卵胞ホルモン)を分泌することで、卵の成長を助けます。

 

PCOS

 

排卵誘発剤というと、どうしても排卵を促すものと勘違いしてしまいますが、厳密には卵を成長させるための薬です。

 

卵が成長することで卵胞の殻を破り、無事に排卵することができるというわけですね。

 

例えるなら、小鳥が卵から生まれて外の世界に出てくるようなイメージです。

 

通常、排卵されるときの卵胞の大きさは20mmくらいなのですが…

 

クロミフェン療法をしているときは25〜30mmほどと、少し大きく排卵します。

 

それだけ、排卵するために卵が成長している証ですね。

 

 

 

排卵誘発剤とはどんなもの?

 

 

PCOSで排卵しづらい状態にあるときに、卵巣内で卵を育てる役割を果たすのが排卵誘発剤(クロミフェン)です。

 

PCOSの場合は、卵はあるのになかなか育たなくて排卵ができない状態なので、排卵誘発剤が有効な場合が多いのです。

 

卵巣のはたらきをこの排卵誘発剤で整えることで、生理周期を正常にすることができます。

 

その結果、毎月きちんと排卵がおこなわれて、妊娠のチャンスが増えていくのですね。

 

排卵誘発剤によって卵がしっかりと育つと、良質な卵子が排卵されます。

 

そうなると精子と受精しやすくなり、ますます妊娠率は上がっていくのです。

 

内服型である排卵誘発剤は、効き目が穏やかな分、副作用も弱くなっています。

 

そのため、PCOS以外にも婦人科領域では割と気軽に出されている薬なんですね。

 

排卵誘発剤は、生理周期に合わせてきちんと服用することが大切なので、医師の指導をしっかり受けて服用することが必要です。

 

また、注意したいこととして、排卵誘発剤は長く続けるほど副作用が発生しやすくなります。

 

例えば子宮内膜が薄くなるなどの副作用は、数周期にわたって排卵誘発剤を使った場合にみられる副作用です。

 

その他、まれにOHSS(卵巣過剰刺激症候群)という副作用が0.4〜0.5%の頻度で見られる場合があります。

 

排卵誘発剤が卵を育てるために卵巣を刺激することにより、卵巣が晴れてしまい腹水や胸水が溜まってしまうのです。

 

多くは重度のPCOSに対しておこなわれる、注射タイプの強い排卵誘発剤により起こる副作用です。

 

弱い作用のクロミフェン療法なら、まず心配しなくても大丈夫でしょう。

 

 

 

 

 

クロミフェン療法の段取りとは?

 

 

それでは、クロミフェン療法は具体的にどんな段取りでおこなわれるのかを見ていきましょう。

 

まず、生理周期の5日目から1錠のクロミフェン(50mg)を5日間飲み続けます。

 

PCOS

 

これでうまく排卵すれば、医師の診察を受けて夫婦生活を持つだけで、自然妊娠を狙えます。

 

1錠で排卵しなかった場合は、とりあえず2〜3周同じように試してみます。

 

それでもダメなら、薬の量を増やすのですが…保険診療の範囲では2錠までしか増量することができません。

 

ちなみに、クロミフェンで妊娠をした場合、双子を授かる可能性が5%に上がります。

 

三つ子以上は、本当にまれです。

 

でもクロミフェンを使ったことによって、妊娠した時赤ちゃんに異常が出るということはありませんので、安心してくださいね!

 

 

まとめ

 

 

PCOS治療の中でも初期におこなわれる、クロミフェン療法について説明してきましたが、いかがでしたか?

 

PCOS

 

実際にクロミフェン療法で妊娠したアラフォー女性の体験談から、クロミフェン療法の効果や注意点など、様々なことについて触れてきました。

 

内服型の排卵誘発剤は効き目が穏やかなので、副作用もそれだけ抑えられていること。

 

そして、高い排卵率と20%ほどの妊娠率があること。

 

これだけで、PCOSでも自然妊娠に近い形で子供を授かることができるということがわかりますね!

 

生理不順で悩むのは、二の次!

 

まずは婦人科へ行って、PCOSの可能性はないかどうか調べてもらってください。

 

自分のからだは、自分で守っていきましょう!